海が荒れたら青磁を拾いに | 21:20 |
先週の前半、南岸低気圧の通過にともなった強風で、太平洋岸はそこそこ荒れた様相となりました。そんな後は、やっぱり海に行きたくなりますね。こうした時、私がよく行く鎌倉のような砂浜では往々にしてめぼしい成果は得られないのですが、それでも一発、大物狙いができるのでは…という淡い期待を抱いて、いそいそと出かけてしまうわけです。
海岸を歩き出して最初に目についたのは骨。これはイヌの下顎ですね。結構年季が入った状態ですが、歯の何本かは残っています。鎌倉の海岸地帯は昔から埋葬地や屠殺場などに使われていたようなので、動物系の骨はよく打ち上がります。またペットなどの死骸が流れ着くこともあります。今回のものは、状態から見て、そこそこ古いものと考えてよさそうです。
海が荒れた後は、海鳥の漂着も多いのですが、今回はこれだけ。食事中のカラスにどいてもらってパチリ。種類はオオミズナギドリのようですね。漂着の多い種類です。
こんな貝のフリークも見つかりました。ガッツリ凹んでいますが修復され、その後もしばらくは生存していたようです。種類はサルボウガイかサトウガイか、私にはわかりませーん。
ウニ類もいくつか。砂浜では定番のハスノハカシパン。そしてタコノマクラは漁労屑由来かな? 比較的破損の少ない(口側部分が多少割れ)のヨツアナカシパンもありました。そのほかスカシカシパンの破片もいくつか。沖の方の海底にはスカシカシパンがいっぱい沈んでいた…と、以前スノーケリングをした人に聞いたことがありますが、ここでは完品を見たことはありません。
次は人工物。今回は少し海底もかき混ぜられたのか、古い…と言っても昭和前期ですが、茶碗の欠片など、いくつか目につきました。その中から2つ。上は幕末ごろに多い文様が描かれた茶碗。でも呉須の色が明るいので、少なくとも明治時代以降のもので、たぶん大正とか昭和までは行っていない感じ。下は大正時代に多い銅版転写の湯呑み。絵柄は牡丹の花のようですが、非常に雑で、大量生産され安価に売られてものに思えます。でも最近は、銅版転写のものが出ることすら珍しくなっています。
出物としては、まずこれ。鎌倉時代などに使われた、使い捨ての素焼き陶器「かわらけ」です。2018年にほぼ完品、昨年に4分の1の欠片を拾っていますが、今回は2分の1でした。
そして、今回は青磁も良いものが拾えましたよ。蓮弁文様が施された茶碗の欠片と思われるもの2点(下写真の左2点)、箆で削ってつけた文様、劃花文がある欠片が3点(下写真の中央3点)、そのうち1点は細かい櫛目文様もほどこされた、かなり良い品の欠片でした(上写真、下写真中央手前)。ちなみに、右端の2点は青磁ではなく、緑釉の陶片のようです。断面などから判断するに、かなり古いものぽいのですが、正体はよくわかりません。しかし、やっぱりそれなりの成果があると、テンション上がりますね(笑)